要らなくなったらいいのにね

突然に心がダメになるときがある。

昨日まで綺麗に咲いていた桜が、
満開を見上げていた花たちが、
雨ですっかりアスファルトに張り付いて
靴底の模様に茶色くなってるあの様子と同じ。

久しぶりに心が弱って、なんとなく、
わたしの歌は鎮痛剤だ、って思った。

歌うために生きてるとか、
歌う=生きるとか、そんな人たちがいる。
わたしにはそれができない。

生きるために歌っている。
歌うために生きることはできない。

心の痛みを癒すために歌を作っている。
歌う目的は、心を楽にしてやること。

あの手この手で大丈夫だよって言ってる。

だから鎮痛剤。わたしのための鎮痛剤。

わたしが患者で、わたしが処方する。

「生きるために歌う」は
「心を楽にしてやるために処方する」

そうしたら、
「歌うために生きる」は
「処方するためにしんどい心で居続ける」ってこと。

鎮痛剤作るために苦しむことなんかできないよ。
医者にも薬剤師にもならないよわたしは。

早く大丈夫になりたい。

こんな寂しい歌なんか要らなくなったらいいのにねってずっと思ってる。

でも効くときは本当に効くから、
他の誰かのためにもなったらいいなとか思う。
わたしだけのものでなくなりますようにって言ってるのはそんな気持ちのときだ。

この前の休みは会いたかった人たちに会えて、
歌ったり聴いたり喋ったりして幸せだった。
めちゃくちゃ幸せだったから、
今もう少し耐えようと思う。
耐えられるはずでしょ。
ひとりぼっちじゃないって
ほんとは知ってるはずなんだから。